この恋を叶えてはいけない
 
「……」


とはいうものの……


そんなすぐに引っ越しなんかできない。

しばらくはこの家に帰ってこなくちゃいけないんだ……。


自分の家の最寄駅について、息をのんだ。


いつまたどこで、ストーカーが現れるか分からない。

多少遠回りをしても、なるべく人通りの多い道を通った。

だけどどうやっても、最後は住宅街に入らないといけなくて……。


「…っ」


住宅街に入って、すぐに走った。

これくらいの距離なら、走って帰れる。


大丈夫……。
時間はまだ9時前。
全く人が通らないわけじゃない。


「はぁっ…はぁっ……」


なんとかアパートに着いて、階段を駆け上がった。

鞄から出す鍵がじれったくて、恐怖のせいか余計にもたついてしまう。


なんとか鍵穴に差し込み、ドアを開けた。


その瞬間……




「おかえり」


「…っ」





ドアを誰かに抑えられた。
 
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