この恋を叶えてはいけない
 
途端に開けられたドア。

驚いて振り返る男。
ドアを開けた彼は、あたしたち二人の状況を見て、瞬時に察し……



「…ってめ……死ねっ!!」



思いきり、男を殴った。


「ひっ……」


殴られた男は壁に吹っ飛んで、立ち上がろうとしたところで胸ぐらをつかまれた。



「いいか……。
 二度と唯香の前に現れるな。

 今度現れたら……殺す」

「…っ」



彼の睨みは震えが上がるほどで
男はすぐに立ち上がると、慌てて部屋を出て行った。



部屋の中には、あたしと彼だけが残って……




「大丈夫?」

「……」




心配そうに、あたしの前にしゃがみこむ。



彼の顔を見た瞬間、安堵からポロポロと涙が零れ落ちて……




「怖かったなぁ……」

「……っ」




あたしは……



戸村さんに抱き着いた。
 
< 229 / 326 >

この作品をシェア

pagetop