この恋を叶えてはいけない
ドクンドクン……って、
頭の中で響くほど大きく高鳴っている。
手足が震えて
目がカラカラに乾いているのに瞬きすら出来なくて……
3年ぶりに見た
駿の姿。
あの頃よりも髪が少し伸びて、体型も軽く痩せている。
その腕に絡みついているのは
ロングのウェーブがかった茶髪の、すらりとした身長の女の子。
駿の隣に並ぶのに、ふさわしいくらい綺麗な人だった。
足が地面にへばりついてしまったかのように、一歩も動かすことが出来なくて
追いかけたいのか、逃げたいのかすらも分からない。
立ちすくむあたしの存在に、向こうは気づくことはなくて……
「ありがとうございましたー。
またお越しくださいませ」
と店員に見送られ、店を出て行った。