この恋を叶えてはいけない
「……ん…」
「おはよーさん」
なんとなく、朝日の光を感じて目を開けると、
目の前の視界を捉えるまえに、耳に入る言葉。
まだ眠気眼のまま、その先を見つめると
「寝ぼけてる姿も可愛えなぁ」
なんて微笑む戸村さんがいた。
一瞬いつもと同じ朝だと思ったけど、
その先にある部屋の光景、身に着けていない服を感じ、
昨日あった情事を思い出した。
「あ……そ、っか…」
なんとなく恥ずかしくなって、シーツを目元までかぶった。
だけどそれをすかさず、戸村さんが指先で下げる。
「何今さら照れとるん?」
「いや、だって……」
「可愛かったで」
「…っ」
といつもの調子で、おでこにキスを落とした。