この恋を叶えてはいけない
 
なんだろう……。
この感じ。


もし駿以外の人とシテしまったら、
絶対に後悔すると思っていたのに、

想像していたよりは後悔の気持ちとか薄くて、むしろむず痒い。

ベッドの端に腰掛ける戸村さんを見て、なんとも言えない温かい気持ちになった。



「なあ……」

「はい…?」



やっぱり、目の下までシーツをかぶっているあたしに、少しだけ不安な瞳を向けて戸村さんが振り向いた。



「あの……今さらこんなこと聞くのもなんやけど……

 後悔、してへん?

 俺に抱かれたこと……」



そう感じていたのは、戸村さんも同じようで
今目の前で不安を抱えている彼を見て、もっと後悔の気持ちは奥へと追いやられた。


あたしはゆっくり起き上がると、その背中にそっと抱き着く。



「してませんよ。
 後悔なんて」



その大きな背中の温もりを感じて、今はっきりと思った。
 
< 256 / 326 >

この作品をシェア

pagetop