この恋を叶えてはいけない
「だ、から……
そういうことだから……」
「……」
これ以上、何を続けたらいいのか分からなかった。
この場にいても、
今のあたしたちには気まずい空気が流れていくだけ。
「じゃあ……
あたしはもう戻るね」
淹れてくれたコーヒーには、まだ2口しか口をつけてない。
湯気もまだまだたっている。
だけどもう、ここにいることに耐えられなくて……。
立ち上がって、部屋の扉へと向かった。
閉められていたドアに手を開け、引こうと思ったその扉を……
「……しゅ、ん…?」
「……」
駿に抑えられ、扉を開けることを憚れてしまった。