この恋を叶えてはいけない
 
すでに3分前から気づいているあたしから見ると、その驚いた顔はちょっと滑稽で笑えた。


「おい、駿。
 そんなとぼけた顔してねぇで乾杯するぞ」

「あ、ああ」


何も言わずに固まっている駿に、三沢さんが突っ込みを入れる。


と言っても、明らかに「嘘だろ」と言った顔は隠しきれていなくて、多分それはあたしも同じだと思う。


「はい!大沢さん、ビール!」
「あ、ありがと」


いつの間にか、駿のビールが注文されてて、すぐに食卓に届いた。


ようやくメンバーが全員そろったということもあって、改めて乾杯。


駿の容姿のせいか、女性陣の自己紹介はさっきよりも確実に気合が入っていて、



「早見唯香です」


と一言名前しか言わなかったあたしは、周りからも思わず突っ込みが入るほどだった。
 
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