この恋を叶えてはいけない
 
もちろん、お互いに知らないふりをして、飲み会は続行。

別に言ってもいいのかもしれないけど
兄妹で合コンに参加、ってなったらきっと周りも多少やりづらさはあると思う。


それだけの意味だ、と言い聞かせて
あたしと駿は、まるで初対面かのように接した。



「でさ!唯香ちゃん!」
「ふえ?」


駿が来てから、余計に合コンが上の空になっていて、さっきのテンションで三沢さんに声をかけられて声がひっくり返った。

 
「何それっ、面白いっ」
「あ、すみません……」
「んでさ、彼氏いないんだったよね。
 じゃあ、今度二人きりの飲みに誘ってもいい?」


三沢さんは、相変わらずグイグイ系で、すぐにそんな話を持ちかけた。


あまりよろしくない。
なんて思ったけど、多分ここで断ったら場の空気を壊す。

返事だけしておけばいっか。
と思い、軽く微笑むと、


「はい、ぜひ」


とだけ返しといた。
 
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