*スケッチブック* ~初めて知った恋の色~
「あの……」
「あのさ……」


二人同時に声を出した。

驚いて続きを黙っていると、シィ君の方が話し出した。



「宿題………もうやった?」


へ?

宿題?

予想もしてなかった言葉に力が抜ける。


「うん。一応……」

「なら良かった……」


何が良いんだ!

何が!!


会話はそこでまた途絶えた。


どうしよ……。

またくじけそうになる。

でもダメ。

頑張れ、わたし。


「シィ君……」


「え?」


シィ君は、わたしの呼びかけにビクンって体ごと反応した。

そんな風に露骨に警戒されると、さらに緊張してきちゃうよぉ。


「あ……えと……」
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