君と僕等を、繋ぐ線。
「S高の桑野選手、大学に行ってラグビーをするのか、社会人チームに入るのかで今揺れていてですね、イイ記事書けそうなんですよ。 この前のインタビュー、凄く良かったんですよ、彼。 彼の動向追いたいんですよ。 ワタシ、ずっと彼の事応援してたの、知ってますよね??里中さん」
『ワタシはスポーツ部に残る!!』と里中さんに強い意思表示をするも
「知ってますけど、オレに人事の権限はないからねー。 ハイ、ざんねーん。 桑野選手の今後はオレが責任を持って追うから、畑田は安心して、さっさと荷物纏めて芸能部へ行ってらっしゃーい」
里中さんにひらひらと笑顔で手を振られてしまった。
「・・・・・・・・・・・・・嫌だ。 任せられない」
本心ではないけれど、嬉しそうにワタシを追い出そうとする里中さんに腹が立って言い返すと
「・・・・・・・・・・・・・さて、ちゃっちゃと出来損ないの畑田のデスクを掃除して、後任の人を迎え入れる準備しないとねー。 あー。 畑田なんかに『任せられない』とか言われたら、オレも終わりだなー。 よりによって畑田なんかにー」
イライラを全面に満遍なく押し出した笑顔を作りながら、里中さんがワタシのデスクにある荷物をおもむろにダンボールに入れだした。