君と僕等を、繋ぐ線。
「勝手に他人のデスク弄らないで下さいよ!! しかも、もっと丁寧にダンボールに片して下さいよ!! もー!! 嘘ですから!! 『任せられない』んじゃなくて、『任せたくない』だけですよ。 ワタシがやりたいシゴトだから」
里中さんによって、乱雑に入れられてしまった自分の荷物を、とりあえず自分のデスクに取り出す。
「・・・・・・・・・・・・入社当初はラグビーなんか全ッ然興味なかったくせになー。 成長したなぁ、畑田。 ・・・・・・・・・・・・あっちにも畑田のやりたいシゴトはあるから。 ・・・・・・・・・・・・オレが畑田を推したんだよ、部長と人事に」
里中さんがワタシの頭を軽く撫でた。
その手を握って睨みつけた。
「・・・・・・・・・・・・・余計な事を」
「・・・・・・・・・・・・・やっぱ知らないんだ、畑田。 桜沢悠斗、今度新人バンドのプロデュースするんだってよ。 3年ぶりに雑誌取材受けるらしい。 あっちにオレの同期がいるから、畑田を桜沢悠斗の取材担当にしてくれって頼んでおいたから。 だから、畑田はあっちで頑張りなさい」
里中さんが、ワタシに握られていた手を振り払うと、その手でワタシのオデコをペシっと叩いた。