最後の恋にしたいから
すると、課長はキョトンとした。

的外れなことでも言ってしまったのか。

不安になりながら見つめると、彼は深いため息をついた。

「古川って、嫌われるような素なのか?」

「えっ? そ、それは……」

そう聞かれると答えに詰まる。

確かに、具体的に説明するのは難しい。

「なんとなくです。相手の反応をみるのが怖くて……」

しどろもどろで答えると、課長は「ふぅん」と納得出来ない様子で私を見た。

「いろいろ過去にあったのかもしれないけど、オレがこの一年見てきた古川は、三課で誰よりも頑張る女性だけどな」

「課長……」

直属の部下ではないのに、ちゃんと見てくれていたことに感動する。

だけどそれも束の間、会議室の準備中だったことを思い出して我に返った。

「とりあえず、準備をしますので」
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