最後の恋にしたいから
慌てて準備する私を、課長は手伝ってくれる。

「あ、課長いけません。私が頼まれた仕事なので」

課長会議の準備を、課長に手伝ってもらうわけにはいかない。

だけど彼は、全く聞く耳を持たなかった。

「二人でやれば早いだろ。それより、オレに素の古川を見せて?」

「え?」

思わず手が止まりそうになり、慌てて準備を続ける。

最後のイスのセッティングが終わると、課長は真剣な眼差しを向けた。

「自信、持った方が幸せになれるよ、きっと。だから、素の自分が出せるように、少しずつ頑張らないか?」

「頑張る……ですか? でも、どうやって……?」

素を見せて欲しいとか、どこまで本気なのだろう。

そして、どういう意味で言ってるんだろう。

まるで訳がわからない私は、頭が混乱気味だ。

すると、課長が答えたのだった。

「オレと付き合わないか?」
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