最後の恋にしたいから
「ゆ、祐真さん? 変……かな? この格好」

やっぱり後れ毛がマズかったか。

課長の反応が怖くておずおず見上げると、眉を下げて困ったような笑顔を向けられた。

「やっぱり、いちいちツボだな、奈々子は。そういう色の浴衣、子供ぽいものだと思ってたけど、奈々子が着ると全然違う」

「えっ⁉︎ そ、そうかな」

まさか、色っぽいと言われるとは思っていなくて、恥ずかしくなってくる。

思っていることが同じで、顔が少しニヤけてきた。

「そうだよ。いわゆる……その、女子力ってやつだ! それが高い……」

だんだんと顔を赤らめる課長に、私が笑みを隠しきれなくなったのは、そんな彼も私のツボだから。

「なんで笑うんだよ?」

照れ臭さを隠すように彼は私を睨みつけるけど、その視線は全く怖くない。

むしろ、胸がキュンとする色っぽさすらあった。

「だって、祐真さんがそんなことを言うからよ。会社の雰囲気とは、全然違うんだもの。さ、行きましょ。私、早くお祭りの雰囲気を味わいたいの」
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