最後の恋にしたいから
当たり前のように寝室に入ったけれど、すでに電気が消されていることにドキドキする。

オレンジ色の光が照らすこの場所が、とにかくロマンチックに感じられていた。

「奈々子……」

愛おしそうに私の名前を呼んだ課長は、そのままキスをする。

舌を絡ませながら手が服の下に伸び、そして胸へと移動してきて、たまらず声が漏れていた。

「祐真さん……。大好き……」

いつか課長が言っていた、失恋の薬は新しい恋って、本当だと身をもって分かった気がする。

これから私にだけ、素の課長を見せて欲しい。

会社では見せない、違う一面を見たいから……。

「オレもだよ。奈々子の傷ついた思い出も、全部受け止めたい。だから、奈々子は何も気にせず、オレに本音をぶつけて欲しい」

「うん……。ありがとう」

そして、再び深いキスを交わし、ゆっくりとベッドへ押し倒される。

その瞬間、弾けたように私たちはお互いを求め合い、甘い夜の時間を過ごしたのだった。
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