叶う。 Chapter1
それは夏の日差しがまだ暖かい9月の終わり頃だった。
お弁当を食べ終わった私は、いつもの様に机に突っ伏して残り短い昼休みを寝て過ごそうとしたその時だった。
腕を枕にして横を向いて目を閉じていた私は、突然の出来事に驚いて身体が自然と強張った。
プニプニと、私の頬を指先でつつくその感触。
驚いて顔を上げた私の視界に映ったのは、綺麗な黒髪をボブに切り揃えた女の子がいたずらっ子みたいに笑いかける姿だった。
切れ長だけれど、大きな奥二重の目。
すっきりとした鼻筋に、少し厚めの唇がセクシーに見える。
第一印象はすごく美人な子だと思った。
その子は私の前の席に座って、椅子の背もたれに両肘を立ててその上に小さな顔を乗せて私を見ている。
慌てて起き上がった私と目が合うと、その子の綺麗な唇はゆっくりと弧を描く。
「つきしまかなう。」
その子の声は、耳にとても響くハスキーな声だった。
私はどうして良いのか分からずに、ただその子を見つめてた。
その子もじっと私を見つめていた。