叶う。 Chapter1



貴方は誰?
と、聞きたかったけれど、話しかけられる事になれていない私は言葉が出てこなかった。

だけれど、その子はまるで私の心が分かったように私を見つめながらこう言った。


「冴島凛(サエジマリン)だよ。宜しく。」


その子はそう言って、私に手を差し出した。
私はその綺麗な手を、少しだけドキドキしながら握った。




それが私と凛ちゃんの、初めての出逢いだった。


凛ちゃんは、失礼な言い方だけれどちょっと変わってる。
それでも私に比べたら、全然まともなんだけれど、普通の感覚からすると凛ちゃんも私と同じでちょっとずれてる。


だからだろうか、私は凛ちゃんと一緒に居ることが不思議と苦痛じゃなかった。
凛ちゃんは私と同じで、あまり感情を表に出さない。
だから私達は今時の健全な女子中学生がするような会話をしたり行動をする事はなかった。





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