オレンジロード~商店街恋愛録~


駅前のマクドナルド。

のん気にハンバーガーにかぶりついていたら、呆れた顔のハルに「おい」と制された。



「お前は今、何の目的で俺とここにいるんだっけ?」

「え? お昼ご飯を食べるためでしょ?」


当たり前のように言う結に、ハルはついには肩を落としてしまう。



「子猫の飼い主を捜すためだろうが」


あぁ、そうだった。

とは、さすがに言えなかった。


ハルはポケットから4つ折りにした紙を取り出し、結に差し出した。


見ると、【里親募集】と書かれている。

そこには、子猫の写真と特徴、そして『遠藤書店』の住所と電話番号が。



「作ったの?」

「昨日のうちにデジカメで写真撮って、パソコンで適当に。こういうのがある方が、飼い主見つけやすいだろ?」

「すごーい。天才的。あたし、考えもしなかった」


目を丸くする結をよそに、ハルは「じゃあ、どうやって探すつもりだったんだよ」と毒づくが、聞こえないふりをしておいた。



「とりあえず、これを50枚くらいコピーして、商店街を中心に貼っていく。みんなに協力してもらえば、まぁ、子猫一匹くらい、どうにかなるはずだ」

「ありがとう、ハル」

「別にお前のためじゃない。俺のためだ」

「だとしても、ハルはちゃんとあの子のために色々やってくれてるじゃない」

「お前が何もしねぇからだろ」


いや、それはそうだけど。

ぐうの音も出なくて、結は頬を膨らませた。



「っていうか、それはいいとして、『子猫』っていう呼び方、やめようよ」

「子猫は子猫だろ」

「チコ」

「……は?」

「あたし、あの子に『チコ』って名前つけたの。だから、ハルもそう呼んであげて」

「何で」
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