イケメン同期に素顔を見抜かれました



それから、他愛のない話で盛り上がった後。

「芽衣ん家まで回ってもらうよ」

と、紗希が言ってくれて、迎えに来てくれた紗希の彼氏さんも快く承諾してくれたけれど、紗希の家とは真逆の位置に帰るので、丁寧にお断りし、電車で帰ることにした。

駅で電車を待っていると、なんだかテンションの高い男女二人組が後ろに並んだ。

聞こえてくる話の内容から察するに、大学生なのかなあ?

電車がやってきて乗り込むと、ふたりは私の前の椅子に腰をかけた。

ちょっとチラ見する私には気付くことなく、どうやらふたりの世界に入っているようだ。

ちょっと密着度が高いけど、爽やかな印象の可愛らしいカップルだなあ。

なんて、温かく見守っていた私の耳に、信じられない言葉が聞こえてきた。




「つーかさ、真理、カレシのことはほっといていいの?」

「いいのいいのー。最近仕事が忙しいみたいで冷たいし。あんなヤツどうでも」

え!?

ちょっと待て。

マリちゃん、別に彼氏がいるのにこの密着度、大丈夫なの?

どう見ても浮気とかするような印象のないマリちゃんに心の中で驚きつつ、思わず聞き耳を立ててしまう。

「あんなヤツって。結構長いんでしょ?」

「17の時からだからぁ、3年かなあ」

「マジ!? 俺そんなに女と長続きしたことねぇや」

「だからいいんじゃない。あたしだって遊ぶ相手はちゃんと見極めて遊ぶよ? 後腐れないヤツにしとかなきゃ後々大変ジャン」

そう言って男の子の唇に自分の人差し指を滑らせ、相手の耳元に唇を寄せる。

マリちゃん……、見かけによらず肉食系女子ってヤツですか?

ハタチにしてその魔性力、すごい。

どこの誰だか知らないマリちゃんの魔性の魅力を見せつけられ、同時に何も知らずに仕事を頑張っているマリちゃんの彼氏に同情を覚えだした瞬間。



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