初恋の君は俺を忘れてしまいました。

「・・・沙菜。何があった？」


「・・・」


「俺じゃ沙菜の力にはなれないか？」


「・・・！そんなこと・・・


「・・・じゃあ、教えてくれない？沙菜が抱えてること、悩み、苦しみ、不安全部。俺が全
部、受け止めるから・・・」


水樹の真剣さに負けてしまった。


こんなに辛いこと、水樹に背負ってほしくなかった。


このときのあたしはなかなか辛くて、誰かに言ってしまいたくなっていた。


水樹、ありがとう。


聞いてくれたのが水樹でよかったよ。


本当に、心からそう思うんだ。


「・・・あたしね・・・・・・」


「・・・！」


「だから・・・・」


「そんな・・・。昂は知って・・・


「昂には言わないで」


「なんで？昂は、昂にだからこそ・・・


「昂は本当に私から離れなくなる・・・そんな気がするんだ」


「そうすれば・・・


「そんなに簡単じゃない！昂は・・・・昂には幸せになってほしい・・・」


「沙菜・・・」


「昂には、あたしのことを忘れてほしい」


「沙菜、それ本気で言ってるのか？」


「・・・」


これが、私の答えだから。