初恋の君は俺を忘れてしまいました。
好きだからこそ、私たちは離れなければいけない。


そう、わかっていたのに。


私は水樹から聞かれたことにこれから先ずっと答えることができない。


「私・・・ここに置いてくよ。昂への気持ちも、全部」


「・・・」


「もし、もしも、昂やみんなともう一度会えたなら・・・その時は私をここへ連れてきてくれない?私が、どんなに嫌がっても。そのときの私に必要のないことだとしても。お願い・・・」


「・・・わかった。約束する。絶対だ」


「・・・ありがとう。水樹」


「・・・うん」


私は立ち上がって海に向かって叫ぶ。


「こうーーーーーー!だいすきだったよーーーーーー!」


もう、一生伝わることのない・・・この思いを。

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