ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
意外と鋭いな、と私は意表を突かれた気分だった。
朝比奈先生がすんなり騙されてくれなかったことで、なんだか、作り込んだ自分の声が恥ずかしくなってしまった。
私は素の声音に戻し、
「いえ、冗談です。
それで、新作のお話ではないのなら、なんのご用件ですか?」
『あぁ、うん。今夜デートでもどうかな、と思って、お誘いの電話です』
「は? デート?」
思わず大きな声で問い返してしまってから、しまった、ここはオフィスだった、と我に帰る。
隣のデスクに座っている同僚が目を丸くしてこちらを見ている。
私は「あぁ、デートの小説ですか。いいんじゃないですか」と無理やりごまかし、がちゃりと電話を切った。
それからスマホを持ってオフィスを出て、ひと気のない廊下で朝比奈先生に電話をかけ直す。
先生はすぐに電話に出た。
「………会社にかけてきてデートの話をするなんて、非常識にも程があります」
『え? あぁ、そうか、ごめんごめん』
先生はあっけらかんと笑っている。
朝比奈先生がすんなり騙されてくれなかったことで、なんだか、作り込んだ自分の声が恥ずかしくなってしまった。
私は素の声音に戻し、
「いえ、冗談です。
それで、新作のお話ではないのなら、なんのご用件ですか?」
『あぁ、うん。今夜デートでもどうかな、と思って、お誘いの電話です』
「は? デート?」
思わず大きな声で問い返してしまってから、しまった、ここはオフィスだった、と我に帰る。
隣のデスクに座っている同僚が目を丸くしてこちらを見ている。
私は「あぁ、デートの小説ですか。いいんじゃないですか」と無理やりごまかし、がちゃりと電話を切った。
それからスマホを持ってオフィスを出て、ひと気のない廊下で朝比奈先生に電話をかけ直す。
先生はすぐに電話に出た。
「………会社にかけてきてデートの話をするなんて、非常識にも程があります」
『え? あぁ、そうか、ごめんごめん』
先生はあっけらかんと笑っている。