ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛







わけもわからないまま、私は先生に連れられて、近くの公園の前にやって来た。




「ここが目的地ですか?」



「そうだよ。俺、公園って好きなんだよね。なんか、時間の流れがここだけ違う気がしない?」




先生は軽快な足どりで中に入っていく。


私も後を追った。



公園なんて、何年ぶりだろう………。


幼稚園ぶりくらいかもしれない。


だとすると20年以上だ。



ぼんやりと視線を巡らす。


朝早い時間の小さな公園には、人影はまったく見えなかった。



ブランコ、砂場、すべり台、鉄棒。


懐かしいな。



ガラス質の小石でも混じっているのか、砂場の表面は朝陽を受けてきらきらと光っていた。




「あのベンチに座ろう」




先生はそう言って、すたすたと歩いていく。


錆のついた古びたベンチに並んで腰を下ろした。




「………なんでわざわざ公園に?」




素朴な疑問を口にすると、先生はあっけらかんと答える。




「部屋の中だと狭いから」



「………は?」




意味が分からない。



このひとは、私には理解できないことばかりを言う。




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