ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
それなのに、『朝比奈光太』は、新作も書かずに、女の家に入り浸っているって?
「………ふざけんじゃないわよ」
ちっ、と舌打ちが自然と出た。
そりゃ、賞が獲れない作家には、それなりに落ち度ーーー運の悪さやら才能の無さやら詰めの甘さやらがあるわけで、
そういう作家に対して申し訳ないと思わないの?なんていう偽善的なことは言うつもりないけど。
それにしたって、新人賞に選ばれたっていう幸運を無下にするなんて、ほんと、舐めてるわ。
私はむかむかしながら、野口さんから借りた朝比奈光太の処女作を手に取った。
ぱらぱらとページをめくる。
しばらくして、私は一番初めのページに戻った。
それから、1ページずつめくっていく。
気がつくと、いつの間にか、周囲の音が消え去っていた。
私の目は、白いページに刻まれた文字に釘づけになって、
私の頭の中は、たくさんの言葉が溢れかえって、
私の心は、その本の中に描かれた世界に奪われていた。
「………ふざけんじゃないわよ」
ちっ、と舌打ちが自然と出た。
そりゃ、賞が獲れない作家には、それなりに落ち度ーーー運の悪さやら才能の無さやら詰めの甘さやらがあるわけで、
そういう作家に対して申し訳ないと思わないの?なんていう偽善的なことは言うつもりないけど。
それにしたって、新人賞に選ばれたっていう幸運を無下にするなんて、ほんと、舐めてるわ。
私はむかむかしながら、野口さんから借りた朝比奈光太の処女作を手に取った。
ぱらぱらとページをめくる。
しばらくして、私は一番初めのページに戻った。
それから、1ページずつめくっていく。
気がつくと、いつの間にか、周囲の音が消え去っていた。
私の目は、白いページに刻まれた文字に釘づけになって、
私の頭の中は、たくさんの言葉が溢れかえって、
私の心は、その本の中に描かれた世界に奪われていた。