ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
ストーリーらしいものは、ほとんどない。



一人の男が、幼い少女を連れて、ただただ歩き続けているのだ。


その途中で、色々な人に会い、色々な感情に触れる。



引き連れている少女が男にとって何なのか、どういう関係なのか、最後まで明かされない。


自分の娘かも知れないし、知人の子かもしれないし、あるいは、誘拐してきたのかもしれない。



でも、読んでいるうちに、そんなことはどうでも良くなってくる。



男は少女の手を引き、黙って歩く。


時おり少女が話しかけても、何も答えない。


ただ、静かな笑みで頷いたり、首を横に振ったりするだけ。



もしかしたら、口がきけないのかもしれない。


そういう説明じみたものは、一切なされないのだ。



それでも、どうしてこんなにも、この世界にのめりこんでしまうんだろう?





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