ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛







朝比奈先生の自宅は、一人暮らしの人向けのこじんまりとしたマンションの一室だった。




ーーーピンポーン



玄関のチャイムを鳴らしてしばらく待ってみたけど、中では物音一つしない。



私は玄関のドアを強めの力でノックし、




「すみません、朝比奈先生!

わたくし、真栄社の者ですが………」




と呼びかけてみた。


それでもやっぱり、人が出てくる気配はない。




野口さんの言った通り、ここにはいないのだろうか。




「しょうがない、こうなったら………」




聞いていた番号すべてに電話をかけてみたけど、誰も出ない。



そうとなったら、もう、しらみつぶしに尋ねてみるしかない。



野口さんからもらった5つの住所のうち、一番近いところへと行ってみることにした。



タクシーで20分ほどの場所に、その住所はあった。




「………なにこれ。

超高級マンションじゃない………」




この辺りでは評判のマンションだった。


有名な芸能人も住んでいるという噂を聞いたことがある。



なんでも、家賃は月100万近いとか………。




「………こんなところに朝比奈先生はいるわけ?」




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