ひまつぶしの恋、ろくでなしの愛
私はため息を必死に堪えつつ、埃っぽい部屋の中をぐるりと見回す。



10畳近くありそうな広々としたリビングの真ん中には大きなテーブルがあり、大量の本が積み重ねられている。


テーブルに載りきらない本が、まるで溢れ出したたように床の上に散らばっていて、フローリングはほとんど見えない。


その本の波はリビングを越え、対面式のキッチンや隣の寝室のほうまで侵食してた。



本当にひどい有り様だ。




「ーーー先生さえよろしければ、部屋のお掃除をさせていただけないでしょうか?

このままだと落ち着いてお仕事もできませんよね」



「えー? どうしようかなぁ。

そんな素っ気ない呼び方だと、ちょっと頼む気が起きないなぁ」




…………こんにゃろう。


ちょっとこっちが下手に出たら、付け上がりやがって。


こちとらねぇ、「このとんでもない汚部屋を掃除してあげる」っていう有難い申し出をしてやってんのよ。




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