【短】俺の花嫁!
「ありがと、薫。」
『もう、こんなこと、親友の茉央にしかしないんだからね!?』
「うん…いつも感謝してる。」
こんなに頼りになる親友がいる私は、とても幸せだと思う。
彼女に作った借りは、これまで数えられないほどたくさんあるのだから。
『知ってる。……茉央、あとは茉央次第だよ。』
「うん。今日…会いに行ってみる。」
『うん、頑張れ!』
薫のおかげで、彼に会いに行く決心がついた。
自分の身分は自覚してます、みたいな頑固な自分を追い出す。
いいじゃない、好きなんだから。
想ったっていいじゃない、本気なんだから。
たとえ私と彼が釣り合わなくたって、告白する権利くらい、私にもあるでしょう?
「今度また、連絡するね。」
そう言って、薫との電話を断つ。
せっかく掛けたエンジンを切り、車から降りた。
今度はコーヒーではなく、特別な思いを抱えて、小鳥遊コーポレーションに向かった。