花の下に死す
「笑止千万だな。生まれたばかりの赤子を皇太子に、など」
「一、二年の内には体仁さまが、次の帝として即位なさっているのでしょうね……。当然政務など執れないから、実権を握るのは依然として院政を敷き続ける鳥羽院。院を背後で操るのが、寵姫の藤原得子」
「……今の帝、崇徳帝はいかがなさるのだ」
「強引に退位させられ、実権なき上皇として屋敷に押し込められてしまわれるのでしょう」
「お気の毒な」
夜明け前の空に、下弦の月が輝いていた。
御簾の隙間から月の光が忍び込んで来て二人を照らす。
「今回の件に関しては、さすがの璋子さまも塞ぎ込んでおられます」
「待賢門院さまが?」
堀河が不意に璋子の名を口にした時、義清は思わず身を乗り出した。
「一、二年の内には体仁さまが、次の帝として即位なさっているのでしょうね……。当然政務など執れないから、実権を握るのは依然として院政を敷き続ける鳥羽院。院を背後で操るのが、寵姫の藤原得子」
「……今の帝、崇徳帝はいかがなさるのだ」
「強引に退位させられ、実権なき上皇として屋敷に押し込められてしまわれるのでしょう」
「お気の毒な」
夜明け前の空に、下弦の月が輝いていた。
御簾の隙間から月の光が忍び込んで来て二人を照らす。
「今回の件に関しては、さすがの璋子さまも塞ぎ込んでおられます」
「待賢門院さまが?」
堀河が不意に璋子の名を口にした時、義清は思わず身を乗り出した。