叶う。 Chapter2
遠い未来の事は、私には必要な事じゃなかった。
だけれど今日は本当に疲れた。
もう、歩くのも嫌なくらい私は全てを出し切った。
頭の中はすっかり思考を止めてしまった。
きっとベッドがあれば私は直ぐに眠りについてしまえるくらいうとうととしていたけれど、そんな私も最後の出演者に送られた盛大な拍手でぱっちりと目を覚ました。
全ての演奏が終わったのだ。
場内のアナウンスは、60分の休憩を挟んだ後、授賞式に移ることを私達に知らせてくれた。
時間はお昼をとっくに過ぎていたけれど、私達は悪天候の中お昼を食べに行く事にした。
会場はホテルとも隣接しているので、私達はそのホテルで遅めの昼食を食べる。
私はあまり食欲はなかったけれど、ママに薦められるがままスープとパンを少しだけ食べた。
食事中、先生もママもレオンまでもが私の演奏がどれだけ素晴らしかったか熱弁していた。
私とシオンは空気みたいになって、ただ話しに適当に相槌を打っていただけだった。
正直、もう結果はどうでも良くなっていたし、出来る事なら帰って寝たい。
多分だけれど、きっとシオンもそう思っていたに違いない。
いつもみたいな鋭い視線は相変わらずだけれど、何故かそれはいつもと少し違う。
他人が見てもその変化には絶対気付かないだろうけれど、私は密かにシオンが眠いんじゃないかと思った。