叶う。 Chapter2
話に夢中になっている3人を横目に、私はシオンに小声でこう聞いてみた。
「昨日、何時に帰ってきたの?」
シオンは私の方を見もせずに、眉間に皺を寄せてこう言った。
「・・・6時。」
どうりでだるそうな雰囲気な訳だ。
それに、質問にきちんと返事をくれた事に私は少しだけ驚いた。
何でそんなに遅かったのか、というか明け方に帰宅したのか理由が知りたかったけれど、残念ながらそれは聞けなかった。
「そろそろ、行きましょうか。」
もう皆食事を終えていたので、ママのその言葉で全員で席を立ったからだ。
だけれど、もし聞く時間があったとしてもきっとシオンは教えてくれないだろうと思った。
別に隠す気はないのかもしれないけれど、言う必要はないとシオンが判断したら何も話してくれないだろう。
だけれどそれならそれでも良い。
私という存在を、シオンは決して傷つけないし、見捨てないという事が今日の出来事で良く分かった。
それは私があの子であるからという理由だけだけれど、それでも私には充分だった。
何故ならシオンはきっと私がやりたい事に、全力で協力してくれるだろう。
あの子を取り戻すために。
私はそんな事を考えながら、皆と一緒にまた会場へと戻った。