叶う。 Chapter2




部屋に戻った私は早速クローゼットを開けて、黒色のワンピースにシルバーのハイネックのニットを取り出した。

あの子はこのワンピースならきっと赤を合わせるだろうけれど、私はキラキラしたシルバーカラーの落ち着いた色の方が好きだ。

赤も嫌いではないけれど、私はとりあえず人目を引くカラーや、キラキラした物や、セクシーに見える物を好む。

あの子はなるべく人目を引かないように、いつも地味にしていたけれど、私は誰が見ても可愛く見えるようにしていたい。


それは女の子だったらきっと当たり前の感情だと思う。


だけれどあの子には、そんな当たり前の感情があまりなかった。

いつも必要最低限のおめかしで満足していたし、私はいつもそれが不思議だった。

もっともっと美しくなれるのに、あの子はそれを望まなかった。


その理由は未だ私には理解出来ない。

あの子の全てを理解していたつもりだったけれど、こうして入れ替わってみると案外理解していなかった事も、沢山あった。

私はそれをちゃんと考えて周りにバレないように行動してきたけれど、入れ替わってから2週間と少しですっかり私は周りに馴染んで生活している。


シオンだけは私の存在を知っているけれど、もしも今あの子に入れ替わってしまったら、あの子はどうするのだろうか?




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