叶う。 Chapter3
テーブルに並べられて行く食事に、何だか酷く吐き気を催した。
こんな状態で食事なんて、食べれる訳がない。
だけれどメイドが去って行くと、双子の父親は手を組んで祈りを捧げた。
それに習って全員が手を組んだのが、何となく気配で分かった。
私も静かに手を組んで祈った。
どうかこの場所に居る家族が、今日も幸せでありますように。
「全ての神に感謝を。」
私は双子の父親のその言葉に目を開いた。
双子の父親がそう言うと、全員が手元にあるグラスを手にした。
そのグラスには、恐らく赤ワインが淹れられている。
何だか双子の父親がそれを手に持っていると、血みたいに見えて私は一瞬だけ寒気がした。
「今日のゲストは君だからね。」
双子の父親はそう言って、私にグラスを傾けた。
私は自分も両手でグラスを持ち少しだけ傾けると、相変わらず冷めた視線で蔑むように私を見つめるその人に向けた。
「随分と、躾が成ってきたようだね。省吾君の教育のお陰かな?」
双子の父親は楽しそうにそう言って、グラスに口をつけた。
私も黙ったまま口をつけたけれど、口にはしなかった。
こんな場所で、とてもじゃないけれどお酒なんて飲めない。
私は飲んだ振りをして、双子の父親から少しだけママに視線を向けた。