喋らないキミへの幸せ
「うそ…つかないで下さい。」



「うそついてなんか…いないです。」



「小さい頃からミカお嬢様を見てるんですよ…?」



悲しそうな表情を浮かべる桐谷さん。



本当に桐谷さんは人のことをよく見ていて優しい。



誰にも…。



「…暴力、受けてるんです。」



「誰にですか?」



桐谷さんはとても冷静だった。



だけどその反面怒りを抑えるようにも見えた。



「…お母様です。でも大丈夫なので。」



何かを考える桐谷さん。



「あの、その傷見せていただけませんか?手当します。」



「いえ、大丈夫ですよ。色んなところに傷ありますし、それに手当てするほどでもないので。」



「それでも僕は手当てします。あ!いやらしい目で見るとかそんなんじゃないですので!その、ただ僕は…」



「わかってますよ。桐谷さんはそんな人じゃないって。誰にでも優しい素敵な人だって分かってます。」



「そんな風に思ってくれているのですね…。はは、一人で何言ってんだって話でしたね。すみません…。」



また悲しそうな顔をする桐谷さん。
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