喋らないキミへの幸せ
「ミカお嬢様も敬語になってる」



「…わざとだからセーフ。あと、それからミカお嬢様っていうのもなしで」



「じゃあ、ミカさんでいいかな?」



満足した顔で頷く。



色々話していると学校の門にあっという間に着いた。



…あれ?



桐ケ谷が私の正面から歩いていた。



昨日帰った方向の逆から来てるんだ?



今日は遠回りしたかった気分だったとか?



いや、違う。



遠回りしたのは昨日だ。



何で気づかなかったんだろう。



それより理解ができない。なんでわざわざ遠回りまでして。



とりあえず後でお礼言わなきゃ。



「どうかした?何か考え事?」



桐谷さんが私の顔を覗き込むように聞いてきた。



「いえ、何でもないです」



「…そっか。じゃあ僕はこっちの校舎だから」



「あ、はい。それじゃ」



桐谷さんは西の校舎に向かい、私は1年の教室がある東の校舎に向かった。



教室に入ると、桐ケ谷はもう自分の席に座っていて友達と仲良く喋っている。



今邪魔しちゃ悪いし、お礼は後の方がいいな。
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