【完】狂犬チワワ的彼氏
そのあとは拓海くんと少しだけデートをして、
やがてあたしは拓海くんに送ってもらってマンションに帰った。
リビングに着くとお兄ちゃんもいなくて、だけど今日は遅くまで出張だったことを思い出す。
「……つまんないな」
やっぱもう少し、拓海くんと一緒にいたかったな。
だけど、あたしが「もう少しいいじゃん」ってちょっとワガママを言ってみても、
拓海くんは「また今度な」ってあたしを真っ直ぐマンションに帰らせちゃうし。
お別れのぎゅーとか、ちゅーすらしてくんなかった。
そういう時のシーンとかって、普通の携帯小説なら甘くてドキドキなことをしてもらえるのに。
むしろ、現実でもそれが当たり前だと思ってたのに。
あたしの彼氏にはそれが全く無い。
でも、だからといってまさか自分から出来ないし、けど少しでもあたしから行動に移さなきゃドキドキ出来ないなんて…。
「…はぁー…」
しかしその時、あたしがそう思って深くため息を吐くと…
ふいにあたしの携帯に、着信がかかってきた。
誰だ、と思って携帯を手にとってみると…相手は、
直樹だった。