【完】狂犬チワワ的彼氏
「!」
その突然の着信にあたしが戸惑っていると、そのうちそれは途切れて。
着信履歴を見てみたら、直樹はもう今日のうちに何度かあたしに電話をかけてきていた。
…どうしよう。
今は直樹と何かを話す勇気とかはないけれど、
あたしのことだからこのままでいたら、もうずーっとこのままになっちゃいそうだし…。
だからといって、出たら出たで、どんな態度で話せば…。
そう思っていると…
「!」
その時、また同じ音がリビングに鳴り響いた。
“直樹”
その名前を見ると、あたしは…
「っ、はい、もしもし!?」
次の瞬間、迷った末思い切ってその電話に出てみた。
思えば、電話の方が話しやすいかもしれない。
だって、あたしがどんな顔してるかとか…電話じゃ、わかんないもん。
そう思って直樹からの電話に出ると、その向こうから直樹の声が聞こえてきた。
『あ、妃由?』
「!」
だけど、その声が聞こえた途端、緊張感が更に高鳴る。
少しだけ気まずくて…
「よ…よぅ、」
あたしが呟くようにそう言えば、直樹は少し笑って言った。
『何それ、』