満たされない心〜貴方が満たしてくれた〜


「できましたよ」

そう言われ、鏡を見ると
自分ではないみたいだった

「元がキレイなんで、薄化粧でもしっかりやれば大丈夫ですよ」

『これが、私なんだ……』

「女子力上がりますよね」

女子力……

『これ……やり方教えて』

「はい。女子力あげましょう」


私は冴島さんにレクチャーしてもらい
自分でなんとか出来るようになった

「あとは慣れるように頑張ってください」


『長い時間、ありがとう』

「いいえ、こんなに喜んでもらえて、嬉しいです」
「先生、次はプライベートで会いましょう、女子力上げるために…ね」


『冴島さん……助かるわ』


冴島さんに教えてもらった通り
私は毎日メイクをして出勤した

メイクをするのに時間がかかり
いつもより1時間も早く起きていた。

慣れるまではお弁当も作れない時もあり、おにぎりだけとか……

病院でも驚かれ

「前島がこいをした」

そんな噂が流れるくらいだった。


『今更だ恋なんて……それに、私にはずっと付き合ってる人いますから』


そう言ったところで信じてはくれない。
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