別に好きになってねぇから。


「綾崎くんってカレー好きかなぁ?綾崎くんって野菜嫌いなのないかなぁ?」

「うるさい。…綾崎にそんなに会いたいならさっさと屋上行け」



結子に鬱陶しがれた私はお弁当を持って屋上へ行く。



重たいドアを開いて足を進める。



…あれ、綾崎くんは?



まだ来てないのかなぁ?



あ、ドアの横に立って屋上への扉が開いたら綾崎くんを脅かそう。




よし息を飲み込みドアの隣に潜む私。



綾崎くん来ないかなぁ…。



私は遠足前日並みにワクワクしている。



────ドンッ




「…ひゃ!ぎゃっ!なになに!?」




突然上から音が聞こえた。


もちろんお空に住む神の声なんてもんじゃなくて給水塔付近から物音が。




…怖い。



学校の都市伝説でもの凄い怖い話があるんだけどまさかっ…




「…いってぇ」


「ぎゃ~~!」



やっぱりいるの?



オバケ!



そう思った次の瞬間、スラーっとした容姿のイケメンが私の目の前に現れた。



頭を押さえて…。




「綾崎くん…」




脅かそうとしたのに逆に脅かされました、私。



これが所謂逆ドッキリってやつですか…。




「…お前遅い。そして騒ぐな、うるさい」




逆ドッキリという罠に首尾よく嵌ってしまった私はその場にフリーズ。



そして綾崎くんは相変わらずトゲのある言葉を発してくる。



…うるさいってのは否定出来なくもないけどそんなに遅かったかなぁ?



そんなに待たせちゃったかなぁ…。



「お前が遅すぎて仮眠してた」



だけど仮眠してまで待ってくれたんだ。



…なんというか綾崎くん…私今すごく嬉しいよ。


辛口だけどやっぱり優しいんだ!




「……にしても頭いてぇ。起きた途端、缶に後頭部打った」



綾崎くんは頭を押さえながら座る。




温かい春風を感じながら



私はそんな優しくて案外天然なのかもしれない綾崎くんの隣に座った。




微笑みながら。

< 30 / 43 >

この作品をシェア

pagetop