あなたに恋してる
「な、なによ⁈」
「なりたい訳じゃないだと…真剣にその歯科衛生士になりたくて勉強してる奴に失礼だ。そんな気持ちならとっとと辞めてしまえ」
冷ややかな表情で睨まれる。
「なんなの…あなたに関係ないじゃない。あなたに言われる筋合いはないわよ」
声を荒げて真斗を睨み返した。
「あぁ、関係ないね。だが、お前みたいに中途半端な奴が嫌いなんだよ」
(ふん)
「私だってあなたみたいに人の気持ち考えないでずけずけ言う人なんて嫌い」
「まぁまぁ、2人とも落ち着いて…」
慌てて2人の間に入って仲裁に入る悠ちゃんを挟んで睨み合っていた。
「お前に使う金は無駄な金だな」
ムカッ
なんなの…こいつ嫌い。
「私、帰る」
「ちょ、…美雨」
「悠ちゃん、また今度」
立ち上がり、レジで会計を済ませると後ろを振り返らずに店を出た。
真斗に感じた2番目の印象は……
最悪だった。
何日も真斗の辛辣な言葉が忘れられず、
最初は頭にきてムカつくだけだったのに冷静になってくると真斗の言葉の真意がわかってきたような気がする。
私は甘えていたのだ。
親にも自分にも…
なりたかった訳じゃない…
仕方なく…
そんなの言い訳だって…