あなたに恋してる

どこかでわかっていたのに……

私は、いつも逃げていた。

どんな理由だろうと最終的には自分の意思で決めた。それなら、後悔のないように頑張ってみよう。


そう思えたのは真斗のおかげだった。


翌週末、悠ちゃんと真斗に会えるかもしれないと思ってコンフォルトの前まで来たけど…あんなに怒って別れた手前どんな顔をして会えばいいのか扉の前でためらっていると…

ポンと背後から肩を叩かれ振り向く。
そこに立っていたのは真斗。

無表情のまま頭上から私を見下ろしている。

160センチの私を見下ろすぐらいだから180以上はあるのだろう。

なんて、どうでもいいことを考えている
自分に呆れる。


「……あの‥『美雨‥入らないのか⁈』」

振り絞ってこの前のことを謝ろうとしたのに、言い合ったのが嘘だったのかと思うほどに普通に話かけてくる。

お腹の底に響く低く甘い声

(やっぱり、この声‥好きかも……)

こんな時に不純な自分が出てくるなんて
‥…

うっとりと真斗の声に酔いしれている。


「美雨⁈」


「………」

美雨⁈

さっきもだけど呼びすてですか…

別にいいんだけど…

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