Love nest~盲愛~
要らぬことまで考えてしまいそう。
聞きたい事は山のようにあるけれど、それをどうやって聞けばいいのか。
しれっと聞ける雰囲気になるとも思えない。
こういう時の話術というか、コミュニケーション力はかなり低い私にとって、最大の難関かもしれない。
それじゃなくても近寄りがたいのに。
しかも、昨日の今日で、キスのこともあるのに……。
考えすぎて頭がどうにかなりそう。
テーブルの上に用意されたチョコレートを1粒口に頬張った、次の瞬間。
メールを受信した音が鳴った。
『18時頃』
私以上に簡素な文。
文と言えるほどの文字数も無いそれは、彼からの返信だった。
それを今井さんに転送する。
彼の帰宅は18時頃の予定です、と。
すると、今井さんからすぐさま返信が来た。
『もっと恋人らしい会話を♪』ですって。
彼女には私たちが恋人に見えるのかしら?
ううん、違う。
この屋敷に連れてくる口実が『恋人』だったのかもしれない。
それなら納得だ。
彼にとって、私は何なのだろう?
ますます考えることが増えてしまった。
これ以上は入りきらない。
既にパンク気味なのに、これ以上謎めいたことを詰め込んだら、クラッシュしそう。
一つ一つ解決して整理しないと、クラクラしそうだもの。
**
彼の帰宅時間に合わせて、夕食の準備を進める。
彼の機嫌を損ねないように、細心の注意を払って……。
程なくして、優しいメロディーが響き、間もなく彼が帰宅する合図が送られた。