Love nest~盲愛~
嘘は墓穴を掘る。
嘘でその場を凌いだとしても、後々自分の首を絞めることになると父から教わった言葉。
だから、どんなに苦境に立たされても嘘で塗り固められた人生を歩んではいけないと。
「私ですね」
「あら、御認めになるの?随分と肝の据わったお嬢さんだこと」
「でも、これ、どなたがお撮りになられたのですか?盗撮ですよね?このお写真を譲って下さった方がいるはずですけど、ご紹介して頂けますか?」
「なっ……、よくまぁ、抜け抜けと……」
黙ってはいられなかった。
こういう汚い手でこれまで彼を苦しめていたのだろうけど、もう彼を標的にするのは止めて貰いたいから。
私を標的にしたいなら、するがいい。
一度でも地獄を味わったことのある人間の恐ろしさを思い知るがいい。
横に座る彼に視線を向けると、必死に笑いを堪えているのが分かる。
嫌味を言われても我慢してくれとは言われているが、反撃するなとは言われていない。
彼に迷惑がかからないように上手くかわしつつ、相手のやり方を封じるように仕向けただけ。
それがえらく気に入られたようで、膝の上でぎゅっと握りしめる拳に彼の手が重なった。
「ご存じかと思いますが、彼女は古市紙器のお嬢さんです。幼い頃によく行き来した仲でもあります。西賀に養子として迎えられ音信が途絶えましたが、つい先日彼女の消息が分かりまして。それで迎えに行った時のものです」
彼は私同様、嘘偽りなく、それでいて淡々と事の次第を説明した。
「それと、申し忘れていましたが、彼女とは幼い頃に両親の意向で婚約した仲でもあります。彼女は幼すぎて忘れてるようですけど」
「えっ?!」