Love nest~盲愛~



「ごめんなさい、また散財させてしまって…」

「大した額じゃない」


ブルーダイヤのピアスを買って貰った。

大した額じゃないと彼は言うが、天然石のブルーダイヤの貴重さは私でも知っている。

ピンクダイヤが1万分の1の確率に対して、ブルーダイヤは10万分の1の確率。

それほどまでにカラーダイヤの中でも希少で、その価値は値段では言い表せない。


元々着けていたピアスだって彼が用意してくれたものだが、店を出る際に着け換えたブルーダイアはすれ違う人の視線を釘付けにするほど、眩しいほどに揺らめき輝いている。


「哲平さん、欲しいものとかありますか?」

「急に何だ」

「いつも貰ってばかりだから。スマホがあるから、哲平さんから頂いたお金ですけど、何か買って差し上げたくて」

「フッ、欲しいものなら自分で買う」

「そうかもしれませんけど、たまには、ね?」

「そんなにプレゼントしたいのか?」

「はいっ!……何か、ありますか?」


スマホのアプリで買い物が出来るように設定して貰ってある。

元々は彼のお金になってしまうが、それでも、何もしないよりはマシかと思って。

期待の眼差しを向けると、彼が私の耳元に囁いた。


「えなとえなに似た可愛い娘」

「なっ……」


それは、お金では買えないじゃない!


「日数経ってるし、そろそろいいよな?」

「っ……」


双眸を細め、口角をキュッと持ち上げた彼。

その瞳は怪しい光を宿しているのは言うまでもない。

彼が何を言わんとすることか分かるだけに、頬が赤くなっていくのが分かる。


「帰るぞ」


彼は手を上げ、タクシーを止めた。

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