Love nest~盲愛~
*
「ごめんなさい、また散財させてしまって…」
「大した額じゃない」
ブルーダイヤのピアスを買って貰った。
大した額じゃないと彼は言うが、天然石のブルーダイヤの貴重さは私でも知っている。
ピンクダイヤが1万分の1の確率に対して、ブルーダイヤは10万分の1の確率。
それほどまでにカラーダイヤの中でも希少で、その価値は値段では言い表せない。
元々着けていたピアスだって彼が用意してくれたものだが、店を出る際に着け換えたブルーダイアはすれ違う人の視線を釘付けにするほど、眩しいほどに揺らめき輝いている。
「哲平さん、欲しいものとかありますか?」
「急に何だ」
「いつも貰ってばかりだから。スマホがあるから、哲平さんから頂いたお金ですけど、何か買って差し上げたくて」
「フッ、欲しいものなら自分で買う」
「そうかもしれませんけど、たまには、ね?」
「そんなにプレゼントしたいのか?」
「はいっ!……何か、ありますか?」
スマホのアプリで買い物が出来るように設定して貰ってある。
元々は彼のお金になってしまうが、それでも、何もしないよりはマシかと思って。
期待の眼差しを向けると、彼が私の耳元に囁いた。
「えなとえなに似た可愛い娘」
「なっ……」
それは、お金では買えないじゃない!
「日数経ってるし、そろそろいいよな?」
「っ……」
双眸を細め、口角をキュッと持ち上げた彼。
その瞳は怪しい光を宿しているのは言うまでもない。
彼が何を言わんとすることか分かるだけに、頬が赤くなっていくのが分かる。
「帰るぞ」
彼は手を上げ、タクシーを止めた。