Love nest~盲愛~
御影 京夜が西賀の甘い誘惑に屈しない理由の一つが、西賀の会社の規模と比べ物にならないくらい御影の力があるからというのが一番の理由。
微々たるものの利益をチラつかせられても動じないわけだ。
それこそ、世界を動かすほどの事業であれば乗ると彼は言うが、そんな規模の事業をあの西賀の面子が出来るわけがない。
それと、この男の顔を縦に振らせるには、相当の理由がない限り無理だという事。
単なる御曹司ではない。
頭はキレるし、先見の目を持っている。
商売をする為に生まれて来たような逸材なのだから、成り上がりの金持ち道楽とはスケールが違う。
「見当が付いてると言うが、対処はしてあるのか?」
「今はとりあえず泳がせてる。そのうちボロが出るように仕向けてるが、その前にえなに危害が加えられないか心配なだけだ」
「うちで、えなさんを預かろうか?それとも、尻尾を出すように俺の方で手を打つか」
「……そうだな」
「出来れば一日も早く籍を抜いて、その上で入籍したいだろうから、俺の方で手を打ってやるよ」
「何だか、いつも迷惑ばかりかけてすまない」
「迷惑だと言うなら、早い所、えなさんを連れて来い。希和が会いたがってる」
「フッ、そうだな」
入籍をした上で西賀の籍を抜くとなると、えなも西賀の名前になってしまう。
えなには、『岬 えな』という名前にしてやりたいから。
だから、どうしても養子縁組を解消した上で、入籍する必要がある。
「じゃあ、詳しい経緯を聞かせて貰おうか」
「実は……――……」
これまでの詳細を打ち明けるように話す。