Love nest~盲愛~
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ある日の夜。
いつもより少し早めに帰宅した哲平さんが、夕食を摂り終わったらドライブしようと言い出した。
デートらしいデートをあまりしていないから気を遣ってくれたのかもしれないが、正直仕事で疲れてるだろうから、デートよりも少しでも多く体を休めて貰いたいのに。
早めの帰宅を知らされていたこともあり、いつもより1時間以上早く夕食を摂り終えた。
2階に上がる彼を追って上がると、ドアの前で彼が振り返る。
「寒くない格好をして来い」
「……はい」
仕事着から着替える為に彼はドアの奥へと姿を消した。
夏も終わりに近づき、秋らしいサラッとした肌を撫でる季節になった。
日中はまだ日差しが強く夏日のような蒸し暑い日も多いが、夜になると少し物寂しさを覚えるような気温になる。
だから、彼は私を気遣って声をかけてくれたのだろう。
自室に戻り、白いブラウスに淡い藤色のロングプリーツスカート姿の自分を鏡でチェックし、何かを羽織れば良さそうだと判断した。
少し厚手のふんわりとしたロングカーディガンを羽織って、ハンカチとグロスとスマホだけ入れた小さなバッグを手にして部屋を後にする。
コンコンコンッ。
すぐ隣の部屋を訪れると、彼は誰かと電話中で、指でソファーに座ってろと合図された。
彼愛用のソファーに腰掛け、彼の様子を窺っていると、どうやら私のことを話しているみたいだ。
会話の中で『えな』という単語が何度も出て来る。
暫し彼の話に集中していると、彼が電話を切った。
「悪い、すぐ用意する」
「はい、大丈夫です。お電話、もう宜しかったのですか?」
「ん」