Love nest~盲愛~
*
彼が耳元に呟く時は危険だと認識しなきゃ。
夜だからまだしも、顔が上気して人とすれ違うのも気になってしまう。
自動販売機でカフェオレを買って貰い、車へと戻ろうとすると、彼が不意に足を止めた。
「どうかしましたか?」
「内緒ごとではないが、話してないことがあって」
「……はい」
「恐怖心を植え付けたくないから黙ってたんだが……」
彼が言葉を噤んだ。
その先がきっと言いづらいことなのだろう。
だから、今まであえて言わずにおいたのだろうから。
「とりあえず、車に戻りましょう?」
「そうだな」
別に別れ話をしているわけじゃないけれど、彼が深刻な顔をするから、すれ違う人の視線が気になってしまう。
彼の手を引いて、車へと戻ることにした。
*
「どうぞ。大体の予想は出来ているので、何でも話して下さい」
彼が少しでも言いやすくなるなら、私に出来ることはこれくらいしかない。
どうせ、先日の会食の時のがあって、西賀の人から嫌がらせを受けてるとか、監視が酷くなったとか、いい話ではないだろう事は予想している。
カフェオレをホルダーに入れて、体の向きを彼の方へと向けた。
「どこから話すべきか迷うんだが、そう遠くないうちに養子縁組の解消手続きをするから」
「はい」
「ただ、その前に、解決したい問題があって」
「はい」
「スマホを貸して貰えるか?」
「スマホですか?」
突然スマホが必要と言われ、バッグから取り出し、それを彼に手渡すと。