Love nest~盲愛~
家だと盗聴されてるだろうからと、わざわざ連れ出したという。
だから、話したいことがあれば、今のうちに話し合っておこうと。
『結婚式』
彼も私も両親は他界していて、お世話になっている人くらいしか呼べる人がいない。
彼は仕事関連の付き合いもあるだろうけど、式となるとかなり人数が偏りそうだ。
「新婚旅行も兼ねて、海外で二人だけで挙式するか?披露パーティーみたいな形で、後日開けばいいし」
「それで大丈夫ならそれの方がよさそうな気がしますけど」
「なら、そうしよう」
彼はちゃんと考えてくれていた。
私は入籍したら終わりかと思っていたのに。
「どうした、俺の優しさに感動しただろ」
「はい。何から何まで、いつもありがとうございます」
「感謝するなら言葉でなく、態度で示せ」
「態度?………どうやって?」
「それを考えるのが、お前の役目だろ」
「………」
「とりあえず、遅くなると今井が心配するから帰るぞ」
「はい」
彼はエンジンをかけ、車を発進させた。
高速道路だから来た道を戻るわけにもいかず、次のICで一旦下りて、そこでUターンし、自宅へと向かった。
流れる車窓を眺め、彼がいう『態度で示せ』の対処法を考えながら。
**
自宅に到着すると、既に21時を回っていた。
彼はまだ仕事が残ってるといい、今日は部屋に来なくてもいいという。
額にキスだけして、彼は颯爽と部屋の中へと消えた。
額に残る甘い余韻を残して……。