Love nest~盲愛~
自室にある浴室の湯船に浸かりながら、彼からの言葉を反芻させてみた。
私に出来ることなんてたかが知れてる。
だけど、この屋敷の中にもスパイがいて、盗聴されてるかもしれないのならば、下手に動くのはよくない。
だとしても、彼が何も手を打って無いはずないから、彼に確認しながら今後は行動したらいいって事よね?
一度に衝撃的な事実が幾つも重なると、脳内で処理出来る容量を一気にオーバーしてしまう。
元々平和ボケしている脳だから仕方ないんだけど、彼のように常に危機感を持って注意しないとならないのだろう。
今井さんがリラックス出来るようにと入浴剤を入れておいてくれたお陰で、だいぶ気持ちの整理が出来たように思う。
美肌効果もあるのか、肌が艶々になった。
お風呂から出てスキンケアを施し、髪を乾かす。
いつもはノーメイクなんだけど、今日はちょっぴりピーチオレンジのグロスを乗せて。
仕事があると言ってたから、部屋に戻るように言われるかもしれない。
でもそしたら、素直に部屋に戻ればいい。
運が良ければ、彼のお酒の手伝いができるかもしれないし。
大人の妄想は刺激が強すぎる。
直ぐに顔が熱くなってしまう自分が恨めしい。
彼なんて、飄々といつだってクールフェイスを崩さないのに。
溜息混じりに姿見で最終チェックをして部屋を後にした。
コンコンコンッ。
隣の部屋のドアを叩くと、直ぐさま返事が中から聞こえて来た。
「失礼します」
「どうした?寝れないのか?」
部屋に入ると、いつものように彼はソファーに座りパソコンを開いていた。