Love nest~盲愛~
「お前はたった今、この店の従業員ではなくなった」
「へ?」
「解雇したんだ、………この俺が」
「…………………はいっ?」
解雇?
今、解雇って言わなかった?
ううん、間違いなく『解雇した』と聞こえたわ。
って事は、何?
この人がこの店のオーナーっていう事?
えぇぇぇ~~~っ、ううううううぅっ、嘘でしょッ?!
瞬きも忘れ、放心状態の私。
だって、そんな展開…………思ってもみないじゃないっ!
何、これ。
もしかして、見習い期間終了の最終試験だった訳?
煽てて有頂天にさせて、身体の関係はやんわり断れとでもいうの?
えっ、そういう事?!
完全に思考回路が壊死してしまった。
だって、誰がこんな展開を予想するっていうのよ。
そりゃあ、甘い誘いがあるとは聞いてたけど、まさかこういう展開になるとは夢にも思わないじゃない。
それにこんなにも若いオーナーだなんて、想像もしてなかった。
見た所、20代後半くらい?
如何にも仕事がデキると言わんばかりにスーツが似合うし。
水商売の店のオーナーって、厳つい感じの年配の男性を想像してたんだけど。
えっ、じゃあ、私はどうなるの?
この店をクビになってしまったのなら………。
そうか、そうだよね。
慾を出した結果がコレだ。
やっぱり人間、誠実に生きないとダメなんだわ。
事の成り行きに漸く納得出来た。
私に残された道は、風俗で働くしか無いんだわ。
ギュッと唇を噛み締め立ち上がった。
そして―――――、